こんにちは、プレス担当Mです。
フラといえば、花柄や葉っぱのスカートをはいて踊ったり、髪の毛や耳に花をつけて踊るのが印象的ですが、その衣装や小物の一つ一つにも歴史や意味があります。
今回は、フラ衣装のスカート、パウとティーリーフスカートについて解説します。
この記事では、フラの衣装をつける意味や、その歴史について紹介していくので、フラ関連の方は、改めて学べるとともに、フラをこれから始めたい方は知っていて損はない情報となってますので、最後まで読むことをオススメします。
それでは、いってみましょう!
プロフラダンサーYUHKI
2013年:フラ始める
2015年:カノエ・ミラー氏に師事
2018年:プロフラダンサーとして活動開始
2019年:ハレクラニ沖縄のステージに立つ
現在に至る
パウ(パウスカート)
フラの衣装、スカートといったら、花柄のスカートを思い浮かべる方も多いと思いますが、これを「パウ」と言います。
一般的に「パウスカート」ととも呼ばれますが、「パウ」はハワイ語で「パーウー」で、これ自体で「スカート」を意味し、「スカートスカート」となってしまうので、「パウ」というのが正しい呼び方です。
これは「フラダンス」の「フラ」が「ダンス・踊り」なので、「ダンスダンス」となってしまうのと同じ形です。
フラはもともと、ハワイの神々や自然をたたえるための手段として用いられてきたものなので、一般的に足からはくスカートも、無礼な行為ということで、頭からかぶるのが正しい着方になります。
パウの腰の部分にはギャザー(ひだ)がたっぷり入ってます。これはフラの動きの特徴である腰の動きを魅力的にみせるためのものです。スカート丈もひざ下まである長めのものが多く、腰の動きに合わせてひらひらと揺れるスソが、フラの動きをいっそう際立ててくれます。
また、パウのデザイン柄には、8種類の人気柄があります。プルメリア、ティアレ、ハイビスカス、マイレ、パンの木、モンステラ、レフア、イリマ。それぞれ解説していきます。
プルメリア柄
プルメリアは、ハワイでは神が宿る花とされています。「気品」「恵まれた人」「陽だまり」など9つの花言葉があります。中南米原産のプルメリアがハワイに渡ってきたのは19世紀だと言われています。
また、プルメリアに素敵な言い伝えがあります。
「満月の夜明けに、朝霧に包まれたままのプルメリアの花を集めてレイを作り、好きな人に渡すと、その恋が叶う。」
と、昔のハワイの人はこのようにして想い人とともに添い遂げていったんでしょう。
ティアレ柄
ティアレは、タヒチの国花で、非常に香りのよい花です。古代ポリネシアンがタヒチに着いたときには、タヒチに存在する花はティアレだけだったと言われています。そのため、「タヒチの花」といったら「ティアレ」ということになります。花言葉は「清らか」「清楚」「幸福」。
ハイビスカス柄
ハイビスカスは、ハワイ州の州花であり、ハワイでもっとも愛されている花の一つです。ハワイ王朝時代から園芸植物として育てられていた、ハイビスカスの花言葉は、色によって少し違いますが、ここでは赤色の花言葉を紹介します。
「新しい恋」「繊細な美しさ」「勇気ある行動」「あなたを信じる」「信頼」とありますが、ハイビスカスは一日花であるため、次々と花を咲かすことから、「新しい恋」が付け加えられたようです。
マイレ柄
マイレはハワイによく見られるツル性の低木で、葉っぱや茎をつぶすとバニラのような甘い香りがただよいます。フラの神様であるラカに捧げられたとされているマイレのレイは、神が宿る植物とされており、神聖な葉としてハワイアンの間でも大事にされています。
「神が宿る神聖な葉」「絆を強く結びつける」「平和」「縁結び」などの意味があり、大切な人との絆を表現することから、ハワイの結婚式でも使われます。
パンの木柄
パンの木は「ウル」とも呼ばれ、ハワイの伝統植物のひとつで、主食としても好まれていました。ハワイ固有の植物ではなく、ポリネシアンによってハワイに持ち込まれたカヌープランツです。
パンの木(ウル)は、ブレッド・フルーツの木と呼ばれ、実がパンのようだったのでこの名前が付いたようですが、実際の食感は、繊維質なサツマイモに似ているとのこと。
昔は、すりつぶしたり、蒸し焼きにしたりして、主食の一つとして好まれていました。栄養価が高く、たくさん実を付けるので、「豊かさ」や「裕福さ」の象徴ともされています。
カヌープランツとは、もともとハワイに移り住んだポリネシアンがカヌーで持ち込んだ植物のことをいい、これらの植物がハワイの伝統文化を支えたという観点から「伝統植物」と言われています。
モンステラ柄
モンステラは、ツル性植物で、熱帯アメリカに30種類ほど生息しています。モンステラ(Monstera)の語源は、ラテン語の「モンスター」「怪物」からきています。
葉っぱは成長するにしたがって、深い切れ込みや穴が空いてきます。そのモンステラの葉にできた穴から覗いてみると、未来が見えると、昔のハワイアンは考えてました。
モンステラの花言葉は「嬉しい便り」「壮大な計画」。この花言葉は、モンステラの葉のすきまから日光が差し込む様子が由来となり、つけられました。また、原産地のハワイでは「希望の光を導く植物」として縁起のいい観葉植物とされています。
レフア柄
レフアの正しい呼び名はオヒアレフア。和名はハワイフトモモ。
ハワイ島の島花で、ハワイの神話に登場する、火山の女神ペレの化身と言われているハワイの固有種です。オヒアが木の名前、レフアが花の名前とされ、古くからハワイの人々には神聖なものとされ、ハワイ諸島全域に自生しています。
溶岩が流れた所に最初に生える生命力の強い植物なので、火山の女神ペレの化身とされていますが、化身とは全く違った、こんな伝説があります。
ある日、火山の女神「ペレ」は「オヒア」という男性に恋しましたが、オヒアはすでに「レフア」という名の恋人がいたため、ペレの申し出をことわりました。
ペレはこれに激怒し、オヒアをみにくい木の姿に変えてしまいました。レフアはひどく悲しみ、ペレにオヒアを人間の姿に戻してくれるよう頼みますが、ペレは拒絶。
レフアはマウナケアに住む神「ポリアフ」に相談します。ポリアフはオヒアを人間の姿に戻すことはできませんでしたが、その代わりにレフアを美しい真っ赤な花に変え、オヒアの木に咲くようにしてくれました。
今でもハワイでは、レフアの花を摘むと雨が降るといわれています。それは2人が離れ離れになってしまった悲しみの涙なのです。
この伝説を見ると、のちのちペレの化身になるとは、オヒアとレフアはゆめにも思わなかったでしょうね。
イリマ柄
イリマは、5枚の小さな黄色い花びらに明るい黄緑色の葉をもちます。ハワイ州の州花候補でしたが、1923年にオアフ島の花に制定されました。
かつて、ハワイ王朝を象徴する色、赤と黄色がありますが、これらの色の羽を持つハワイミツスイ(鳥)たちが大量に捕獲され、羽を素材として使われてました。
やがて鳥が絶滅すると、王室は羽根に代わる素材としてイリマの花を用いたレイを作りはじめたのです。イリマは、開花直後は明るい黄色ですが、時間が経つにつれて濃いオレンジ色に変わるため、重宝されました。
王族から愛されるイリマのレイは、ロイヤル・レイと呼ばれています。
花の寿命が短く、3cmに満たないほどの小さな花びらでレイを作るのは大変で、約700もの膨大な花が必要です。それだけの手間隙をかけて仕上がるレイにはまごころが込められており、このロイヤル・レイは「幸運の象徴」とされています。
旅に出る人の首にかけたり、お葬式の遺影に飾られるなど、旅立つ大切な人の幸運を願います。イリマの花言葉は、「あなたを誇りに思います」。
ティーリーフスカート
「パウ」と同じく有名なフラスカートが、葉っぱを使ったティーリーフスカート。そもそもティーリーフとはどんなものか、解説していきます。
ティーリーフ
「ティーリーフ」というドラセナ類の葉っぱの呼び名は、ハワイ、日本をはじめ、各国でフラをやっている人やその関係者の間に広まった独特の名称のようです。
ティーリーフの正式名称は「ティリーフ」。ハワイ語にのっとって発音すると、”Ti” もしくは “Kī” なので、「ティ」もしくは「キー」と発音します。ハワイ語では「ティー」と伸ばして発音しません。
実は、ティリーフという植物が存在するわけではありません。「ティ」という植物の「リーフ(葉)」の部分を指して「ティリーフ」と呼ぶのです。
ティーリーフの用途
フラのスカートに使われるティーリーフは、元々ハワイでは神にささげられる神聖な植物で、葬祭、神事や祭りなど深い祈りをささげるときに使われてきました。
「魔除け」「浄化」「お守り」の意味があるティーリーフは普段の生活にも根付いています。ハワイの家にはたいていティーリーフが植えられています。
ドアにリースとして掛けたり、熱冷ましとして頭にのせたり、ティーリーフで温めた石を包んで温湿布として腰にのせたりと古くからのハワイアンの知恵として使われてきました。
料理でもティーリーフに包んで蒸し焼きにしたり、食器代わりにしたりとハワイアンにとって欠かせない、大切な植物なのです。また、魔除けのためなので、ティーリーフが枯れるのは縁起が悪いとされています。
そんなティーリーフで作られるスカートは、神々をたたえる踊りであるフラの衣装には、欠かせないものです。
まとめ:【フラ衣装】パウ・ティーリーフスカートについて解説!歴史や意味を知ろう!
今回は、フラで使われる衣装のスカート、パウ(パウスカート)とティーリーフスカートを紹介しました。
パウ(パウスカート)を選ぶときは、花柄のかわいさで選ぶのもいいですし、上記の意味を知ったうえで選ぶのも面白いのではないでしょうか。
また、ティーリーフスカートは、スカート自体買うのもいいですが、ティの葉っぱを手に入れて、実際自分で作るのも愛着がわき、より心のこめられたものになるに違いありません。
次回は、スカート同様、フラ衣装に欠かせないドレス、ムームードレスやハワイアンドレスについて紹介しようと思います。
お楽しみに!
プロフラダンサーYUHKIのスケジュール
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